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使用人スベルマンの秘密のピアノ日記 volume2

以下、スベルマンの日記より。


○月×日 
今日から初めての仕事を任された。
奥様が毎日ピアノの練習をされているサロンで
奥様の練習を聞いて感想を述べたり、楽譜を整理したりする仕事だ。
その前にサロンにあるピアノについての注意点を教わった。
このピアノに触れる事は特別な許可が無い限り、一流のピアニストと、奥様だけに許されている事。

私はピアノを弾いたことは無いが、ピアノの音を聞くのは好きだ。
今日は奥様の弾いている曲についての感想を伝えた。
右手と左手が別々の動きをしているのが大変驚きます、と述べた。

○月□日
昨日に引き続き、ピアノを聞く仕事が多かった。
話に聞けば、ここの家にあるピアノは大変値段の張るものらしい。
奥様によれば小さな家が買えるくらい?とか。
どおりで触れる事が許されない訳だ。
奥様はピアノの練習をいつも決まった時間にしている。
昼食を召し上がった後で、大変眠いと仰った。
時間を変えればよろしいのではと考えてしまった。

○月△日
奥様の練習の間、本棚にある楽譜を見てもいいと言われたので、手に取った楽譜をパラパラと見てみた。
音符は辛うじて読めるが、これを両手で弾くなど神業ではないだろうか?
ちなみに奥様の弾いてる曲の楽譜はとても音符の数が少ないようだ。
もしかしたら私にも弾けるのかもしれない…。

×月○日
相変わらず奥様は毎日ピアノの練習をしている。
練習の間私は他の楽譜を見ているが、段々と面白くなってきた。
なぜなら音符を見ると頭の中で音が鳴るようになってきたからだ。
奥様の弾いている曲の楽譜を毎日毎日見ていたら、
自然とそうなってきたようだ。
もちろん練習の最後に感想を述べる仕事は続いているのできちんと聞いているつもりだが。
実を言えば頭の中の「音」の方が興味がある。

×月×日
奥様のピアノの練習の仕事を始めてもう二ヶ月経った。
奥様はずっと「チューリップ」の練習をされていらっしゃるが
実は私の頭の中では違う曲が流れている。
だがそんな事は口が避けても言えない。
感想は徐々に「それらしい事を言っているだけ」になってきてしまった。
良心の呵責。

×月△日
私の心の中にある気持ちが芽生えてきた。
それは…この、目の前にある艶々したピアノを自らの手で弾いてみたい、
いや、触ってみたい、「自分の音」を出してみたい。
ピアノを弾くとはどんな感覚だろう?
そしてこの楽譜の音楽を両手で奏でてみたい。

×月?日
奥様のピアノを聞いていると、私の中に芽生えた気持ちがどんどん高まってくるのを感じる。
こんなにずっと同じ曲を練習しているということは、
ピアノを弾くというのは随分と難易度の高いことなのだろう。
その事を自分の手で確認してみたい。
音を出してみたい。
最近は練習中の音も上の空で聞いていて、心はすぐに手に持った楽譜の中に入り込んでしまう。
時には奥様の言葉も聞き逃してしまう事がある。
気をつけなければ。これは仕事なのだ。

×月@日
ここでこんな事を書くことになるとは。
私のピアノへの興味衝動は日毎に高まっていく。
今日、奥様が外出された時に、
私はピアノのあるサロンへ足を踏み入れてしまった。
良くないことだ。 
奥様の許可もないのに。
ピアノの前で心の中の葛藤に苛まされる。
決して触ってはいけない。
触れれば今まで押し殺してきた気持ちが必ずや溢れ出てしまうに違いない。
苦しい。
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@月○日
ピアノに触りたい。弾いてみたい。
奥様のピアノの音を聴いているのが段々苦しくなってきた。
まるで目の前にご馳走を置かれてお預けをされている犬になった気分だ。
何故こんな気持ちになってしまったのか?
ピアノの音を知らなかった2ヶ月前に戻りたい。
いや・・・・戻りたくない。


@月×日
とても悪いことをしてしまった。
どうしても欲求が抑えきれず、
奥様が外出中にまたピアノのサロンに入ってしまったのだ。
もちろん、ピアノには手を触れていない。
いや、正確にはピアノの鍵盤には、だ。
確か奥様の注意は「ピアノの鍵盤に触れない事」だったはずだ…。
毎日このピアノの音を聞いているのだから、音には毎日触れているのだ。
ピアノの蓋の上でピアノを弾く真似をするくらい、大丈夫なはずだ。
だがこの心の苦しさは更に酷くなっていく。
一体何故?


@月△日
遂にやってしまった。
ピアノの誘惑に勝てなかったのだ。
気がついたらピアノの前にいた。
そして鍵盤の蓋を開けていた。
抗えない衝動。
白と黒の美しい鍵盤。
譜面たてをいつも奥様がなさるように立てる。
そしていつも見ている楽譜をそこに立てかける。
美しい鍵盤の上に手を広げた。
私はこれから何をしようとしているのか。
もうこれ以上は恐ろしくて書けない。



…と、ここまで日記を読んでね~みはそっとそれを元の場所に戻した。

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プロフィール

ね~み♪

Author:ね~み♪
子供の頃習っていたピアノ。
2013年より25年ぶりに独学で再開、
2014年3月より先生について習い始めました。
夫と二人の子供がいるアラ50です。

♪ただいま練習中♪

ツェルニー40番-40番
バッハ フーガト短調
ショパン エチュードOp.25‐12


2017年レッスン終了した曲

バッハ パルティータ6番 トッカータ・インベンション2番
平均律2巻 3番プレリュード・12番プレリュード・8番フーガ、
パルティータ1番 プレリューディウム
カッチーニ アヴェマリア(編曲もの)
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