2016.10.13
ある先生の思い出
ある先生、というのはピアノの先生じゃありません。
小学校の5~6年生の時の担任の先生です。
もう40年近く前の事なんですが、先生の事はすごく印象に残ってます。
(今思えば学校の先生って毎日相当な時間一緒に過ごすわけで、どの先生もそれぞれに記憶はあるんですよね。名前とかどんな風貌だったかとか、大体の性格とか)
低学年の子供に体罰する女先生もいれば、優しいお姉さんみたいな先生もいたし、自慢ばかりする嫌味な先生やら、竹刀を持ち歩いて授業中質問に答えられなかったら頭を竹刀で叩くという、今なら大問題の先生。
そういえば美術の時間に描き方を教えるふりをしながら?やたらと手を添えてくる先生なんてのもいたなぁ。
とにかく先生っていう職業は一人で何十人、場合によってはそれ以上の生徒の面倒を見るわけですから
それは=それだけの生徒から常に行動や考えを観察されてるわけですね。
そして関わった生徒の人生観や目標や性格までも変えてしまうかもしれない役割を持ってます。
生徒にとって先生の一言はとても重いですね。
その思い出の先生は、まだ若い(20代)女性の方で、
今から思うにまだ教師の経験はそれほどあったわけではないと思います。
新卒ではないけど5年くらい?あやふやですが。
小5、小6といえばそろそろ反抗期にさしかかる年齢の
心も体も変化の多い多感な時期ですね。
特に女の子は友達関係も難しくなってくるし、口も達者だし、中途半端にいろんな事が目に見えてくるというか
生意気盛りですよね(^^;;
特にお母さんくらいの歳の離れた先生ならともかく、
ちょっと歳の近いお姉さんみたいな先生。
女子からすれば先生がちょっと男子に甘い態度を取ったり(実際には平等に接してるつもりでも)
男子に話しかけられてニコニコしてるのを見ると
「あの先生、男子ばっかりひいきしてる!!」
ってことになります。
たぶんですが、半分やっかみとかあるんでしょうね(^^;
でも女子から見れば「男子にひいきする先生」
つまり、あの先生私たち女子の敵!というような認識ができちゃったんですね。
で、ある時「先生を困らせよう!」とクラスの女子で話し合いました。
さすがに教室の戸に黒板消しとかバケツを挟むとかコントみたいなイタズラはしなかったんだけど
(そういう具体的な被害が出るイタズラはしないところが女子っぽい)
みんなで朝の出席の確認の時に
「気分が悪いです」って言うことになりました(^^;
(普通だと「はい、元気です!」と言うことになってる)
で、もちろん女子だけで実行しましたよ。
「○○さん」「はい、気分悪いです」
「××さん」「はい、具合悪いです」とか。
まあ、いわゆる反乱ですね。
最初??という顔をしていた先生だったけど
「あれー?今日は女の子は具合悪い子が多いね!」
と、完全に女子の不穏な空気を感じてるみたい?!
私達はちょっと、やってやったぜ!みたいな不思議な達成感みたいなものを共有して休み時間に
「先生、びっくりしてたね!」「成功したね」とかクスクス笑いながら話したりして。
でも先生、多分生徒をどうやって扱って良いかわからなくて結構悩んだりしたんだろうなあ。
その頃は今みたいにモンスターな親もいなかっただろうし、学校も煩く口出しもしなかったからか
ある時先生は授業後私達女子の何名かを連れて喫茶店で
ケーキやパフェをおごってくれたんです。
先生なりに女子を食べ物で釣る作戦に出たのかな?
私はその時ホットケーキを食べたことをまだ覚えてるんですけど
ラッキー!とは思ったけど実は心の底から先生を信頼してたわけではなく、でも悪い気はしなかった(笑)当たり前か。
後から考えれば経験の少ない先生、どうしたらクラスをまとめられるのか?自分に付いてきてくれるのか?
信頼してくれるのか?すごく考えていたんでしょう。
その頃の私にはそう言うことがよくわからなかったけれど
経験の少ない先生なりに一生懸命だったんじゃないかなあ。
まぁ他にもいろんな事件?がありましたが割愛。
そして、とうとう卒業式の日が来ます。
私は「カッコ悪いから絶対泣かない!」
って心に誓ってました。
式の間、友達は泣いてました。
私は我慢しました。
式が終わって先生が泣きながら私達の所に来ました。
みんな泣いてました。
私は涙が溢れそうになったけど堪えました。
後から母が「みんな泣いてるのに、あなただけ笑っていた、なんで?」と聞きました。
私は「別に悲しくなかったもん」と、答えました。
弱い所を誰にも見られたくなかったんですよね(^_^;)
でも本当は悲しかった。泣きたかった。
いろんな事があったしなあ。
卒業式の次の日、家に来客がありました。
なんと、先生でした。
「ねーみさん、ねーみさんは絵が好きでしょ?これ、先生が昔使ってたけどいらなくなったから、あげる」
私は先生から大きな木の箱を渡されました。
そしてすぐに帰られました。
え?え?え?
なんで?これなに?なんでせんせいが?
しばらくは意味もわからず箱を抱えて呆然と。
母はそれを見て
「あら…わざわざ先生がこれを渡しに?」
と。
箱を開けてみるとそれは油絵のセットでした。
私はなんともいえない熱いものが胸に込み上げてくるのを感じました。
先生、私のことをちゃんと見ていてくれた。
歓心を買うだけだったらもう卒業した私にこんなことをするはずがない。
もしかしたら私だけじゃなく、生徒全員にそれぞれ何かを渡したのかもしれない。
でも、嬉しかった。
私のことしっかり見ててくれた、
なのに私は意地悪して卒業式にも泣かないで、
ひねくれた子だったのに。
いつも一生懸命だった先生、あれからどうされているのでしょう。
きっとどこかの学校で素晴らしい先生になっていることでしょう。
いえ、あなたは今でも鮮やかに私の記憶に残る素敵な先生です。
小学校の5~6年生の時の担任の先生です。
もう40年近く前の事なんですが、先生の事はすごく印象に残ってます。
(今思えば学校の先生って毎日相当な時間一緒に過ごすわけで、どの先生もそれぞれに記憶はあるんですよね。名前とかどんな風貌だったかとか、大体の性格とか)
低学年の子供に体罰する女先生もいれば、優しいお姉さんみたいな先生もいたし、自慢ばかりする嫌味な先生やら、竹刀を持ち歩いて授業中質問に答えられなかったら頭を竹刀で叩くという、今なら大問題の先生。
そういえば美術の時間に描き方を教えるふりをしながら?やたらと手を添えてくる先生なんてのもいたなぁ。
とにかく先生っていう職業は一人で何十人、場合によってはそれ以上の生徒の面倒を見るわけですから
それは=それだけの生徒から常に行動や考えを観察されてるわけですね。
そして関わった生徒の人生観や目標や性格までも変えてしまうかもしれない役割を持ってます。
生徒にとって先生の一言はとても重いですね。
その思い出の先生は、まだ若い(20代)女性の方で、
今から思うにまだ教師の経験はそれほどあったわけではないと思います。
新卒ではないけど5年くらい?あやふやですが。
小5、小6といえばそろそろ反抗期にさしかかる年齢の
心も体も変化の多い多感な時期ですね。
特に女の子は友達関係も難しくなってくるし、口も達者だし、中途半端にいろんな事が目に見えてくるというか
生意気盛りですよね(^^;;
特にお母さんくらいの歳の離れた先生ならともかく、
ちょっと歳の近いお姉さんみたいな先生。
女子からすれば先生がちょっと男子に甘い態度を取ったり(実際には平等に接してるつもりでも)
男子に話しかけられてニコニコしてるのを見ると
「あの先生、男子ばっかりひいきしてる!!」
ってことになります。
たぶんですが、半分やっかみとかあるんでしょうね(^^;
でも女子から見れば「男子にひいきする先生」
つまり、あの先生私たち女子の敵!というような認識ができちゃったんですね。
で、ある時「先生を困らせよう!」とクラスの女子で話し合いました。
さすがに教室の戸に黒板消しとかバケツを挟むとかコントみたいなイタズラはしなかったんだけど
(そういう具体的な被害が出るイタズラはしないところが女子っぽい)
みんなで朝の出席の確認の時に
「気分が悪いです」って言うことになりました(^^;
(普通だと「はい、元気です!」と言うことになってる)
で、もちろん女子だけで実行しましたよ。
「○○さん」「はい、気分悪いです」
「××さん」「はい、具合悪いです」とか。
まあ、いわゆる反乱ですね。
最初??という顔をしていた先生だったけど
「あれー?今日は女の子は具合悪い子が多いね!」
と、完全に女子の不穏な空気を感じてるみたい?!
私達はちょっと、やってやったぜ!みたいな不思議な達成感みたいなものを共有して休み時間に
「先生、びっくりしてたね!」「成功したね」とかクスクス笑いながら話したりして。
でも先生、多分生徒をどうやって扱って良いかわからなくて結構悩んだりしたんだろうなあ。
その頃は今みたいにモンスターな親もいなかっただろうし、学校も煩く口出しもしなかったからか
ある時先生は授業後私達女子の何名かを連れて喫茶店で
ケーキやパフェをおごってくれたんです。
先生なりに女子を食べ物で釣る作戦に出たのかな?
私はその時ホットケーキを食べたことをまだ覚えてるんですけど
ラッキー!とは思ったけど実は心の底から先生を信頼してたわけではなく、でも悪い気はしなかった(笑)当たり前か。
後から考えれば経験の少ない先生、どうしたらクラスをまとめられるのか?自分に付いてきてくれるのか?
信頼してくれるのか?すごく考えていたんでしょう。
その頃の私にはそう言うことがよくわからなかったけれど
経験の少ない先生なりに一生懸命だったんじゃないかなあ。
まぁ他にもいろんな事件?がありましたが割愛。
そして、とうとう卒業式の日が来ます。
私は「カッコ悪いから絶対泣かない!」
って心に誓ってました。
式の間、友達は泣いてました。
私は我慢しました。
式が終わって先生が泣きながら私達の所に来ました。
みんな泣いてました。
私は涙が溢れそうになったけど堪えました。
後から母が「みんな泣いてるのに、あなただけ笑っていた、なんで?」と聞きました。
私は「別に悲しくなかったもん」と、答えました。
弱い所を誰にも見られたくなかったんですよね(^_^;)
でも本当は悲しかった。泣きたかった。
いろんな事があったしなあ。
卒業式の次の日、家に来客がありました。
なんと、先生でした。
「ねーみさん、ねーみさんは絵が好きでしょ?これ、先生が昔使ってたけどいらなくなったから、あげる」
私は先生から大きな木の箱を渡されました。
そしてすぐに帰られました。
え?え?え?
なんで?これなに?なんでせんせいが?
しばらくは意味もわからず箱を抱えて呆然と。
母はそれを見て
「あら…わざわざ先生がこれを渡しに?」
と。
箱を開けてみるとそれは油絵のセットでした。
私はなんともいえない熱いものが胸に込み上げてくるのを感じました。
先生、私のことをちゃんと見ていてくれた。
歓心を買うだけだったらもう卒業した私にこんなことをするはずがない。
もしかしたら私だけじゃなく、生徒全員にそれぞれ何かを渡したのかもしれない。
でも、嬉しかった。
私のことしっかり見ててくれた、
なのに私は意地悪して卒業式にも泣かないで、
ひねくれた子だったのに。
いつも一生懸命だった先生、あれからどうされているのでしょう。
きっとどこかの学校で素晴らしい先生になっていることでしょう。
いえ、あなたは今でも鮮やかに私の記憶に残る素敵な先生です。
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